Blog

金木犀の香りと、新しい曲の種

AI音楽

Written by 七海

金木犀が香る頃、中野の空気が変わる

金木犀の香りで秋を知る

朝、玄関を出た瞬間にふわっと甘い香りがして、「あ、もう秋なんだな」って気づくことがあります。カレンダーを見るよりも先に、金木犀の香りで季節が変わったことを知るんです。

不思議ですよね、同じ道を歩いているはずなのに、香りひとつで景色の見え方まで変わってしまう。

私にとって金木犀は、ちょっと特別な花なんです。花そのものは小さくて控えめなのに、香りだけはものすごく存在感があって。

見えないものが一番強く心に残る、というのを教えてくれる花だなあと思っています。

中野駅前の空気の変化

夕暮れの路地で咲く金木犀の花のクローズアップ

中野駅前も、この時期になると空気がすっと変わります。夏の間はじっとり重たかった空気が、少し乾いて、どこか透明になるような感じ。

駅から出てくる人たちの歩く速さも、心なしかゆったりしてくる気がするんです。

夜になると風が頬に当たって、思わず肩をすくめる。

その瞬間、決まって昔のことを思い出すんです。この季節の中野の空気には、私にとって特別な記憶がたくさん染み込んでいるから。

路上ライブの季節だった、あの頃の記憶

路上ライブをしていた秋の日のこと

高校生の頃、放課後になるとギターを抱えて中野駅周辺に出ていました。

秋はちょうど日が短くなっていく季節で、歌い始めは明るかったのに、一曲、二曲と歌っているうちにあたりが夕暮れ色に染まっていくんです。

寒くなり始めの夕方は、人通りがぐっと変わる時間でもありました。

仕事帰りの人、学校帰りの友達同士、足早に通り過ぎる人。

その中で、ふと立ち止まってくれる人がいると、それだけで胸がいっぱいになったなあ。何も言わずに頷いてくれるだけでもよかったし、「いい歌だね」って一言かけてもらえた日は、帰り道をずっとにやにやしながら歩いていた気がします。

ギターを弾く手が覚えている季節の音

秋が深まってくると、ギターを持つ手がどんどん冷たくなっていくんです。

指先がかじかんで、コードを押さえる力がうまく入らなくて、情けないなあと思いながら何度も弦を弾き直していました。それでも不思議と、その冷たさごと好きだったんです。

今でも、気温がすっと下がったこの時期にギターを構えると、指先の感覚だけで「ああ、あの頃と同じだ」って思い出すことがあります。

音楽は耳で聴くものだけじゃなくて、手や肌が覚えているものでもあるんだな、って最近つくづく感じています。

あたたかい飲み物と、新しい曲の種

ノートに書き留めた曲のメモ

ノートとマグカップが置かれた、曲作りの途中の机の情景

最近、あたたかい飲み物をマグカップに入れて、ノートを開く時間が増えました。

まだ曲とは呼べないような、断片のメモばかりなんです。

「夕方の光」「指先の冷たさ」「振り向いたら誰もいなかった感じ」みたいな、言葉にもなっていないメモがノートのすみに増えていきます。

正直に言うと、これが歌詞になるのか、メロディが先に生まれるのか、今の時点ではまだ全然わからないんです。

マグカップを両手で包みながら、「これでいいのかな」と何度も自分に聞き返している時間の方が長いくらいで。

でも、こういう宙ぶらりんな時間こそ、新しい曲が生まれる前の、大事な種まきの時間なんだろうなと思うようにしています。

これからの曲づくりへの気持ち

うまく言葉にできないことを、ちょっと恥ずかしいなと思いながらも、今日はそのまま書いてみました。

曲づくりって、きれいに整理された道筋があるわけじゃなくて、こういう迷いながらの時間がほとんどなんです。

金木犀の香りが教えてくれる季節の変わり目、路上ライブで感じた指先の冷たさ、そして今まさに生まれかけている曲の種。

これらがどんな形になっていくのか、私自身もまだわかりません。

でも、こうしてノートに書き留めていく時間を、これからも大切にしていきたいなと思っています。

また新しい曲ができたら、ここで少しずつお話しできたらいいなあ。

ブログ一覧へ